かわら版担当のレース参戦記 第5戦菅生

 マレーシアから帰って来た車両を入念に整備し、今年のレースの折り返し点である第5戦菅生大会が迫って来ました。今回から88号車のエンジニアをフォーミュラニッポン等で経験豊富な、佐久間勝彦が担当する事になりました。


かわら版担当のレース参戦記 第5戦菅生

 また性能調整は、前回マレーシアで5位入賞の66号車は12kgのウエイトハンデが加わり1250kg+12kg、他に2台はそのままです。


66号車ムルシエラゴRG-1
リストリクター27.2mm径×2、最低車両重量1262kg
87号車ガイヤルドRG-3
リストリクター27.6mm径×2、最低車両重量1135kg
88号車ガイヤルドRG-3
リストリクター27.6mm径×2、最低車両重量1115kg

 チームは7月24日金曜日に、スポーツランド菅生28〜30番ピットに3台のランボルギーニを持ち込みました。週末の天候は曇り時々雨の予報です。
 関西の井入、和田両選手は空路仙台に、他の選手も陸路で仙台に到着し、金曜日の夜は新メンバー紹介もかねて、心機一転メカニックも含めティーム全員で仙台市内の焼肉店で食事を楽しみました。30名ほどで食べる焼肉は豪快そのもの。
 今回は3台とも入賞体制が整い、ドライバーもメカニックも戦闘意欲が最高潮に達している点も好材料なのです。


 忙しい土曜日が始まりました。天候は曇りから晴になりつつありました。午前7時15分からの公開車検に続き、午前8時15分にはドライバーズブリーフィングがあります。ドライバーズブリーフィングはドライバー全員の出席義務があり、遅刻や欠席はいかなる理由があろうと数万円の罰金となるので、ドライバーたちも遅刻しないように出席します。


 午前9時45分からの公式練習走行は1時間45分に渡り、両クラス混走で実施されました。ここで良いタイムを出したのはやはりムルシェ66号車で、走行終了間際の37ラップ目に1分26秒242を出して7番手。ガイヤルドの88号車、87号車はベストタイムが1分27秒台前半で16番手、17番手という結果に終わりました。ガイヤルド2台は午後の予選までにタイムアップできるよう対策が練られました。
 午前11時45分からは45分間のピットウォークがあります。レースクイーンもドライバーも記念撮影やサイン、握手など出来る限りのファンサービスをしました。


かわら版担当のレース参戦記 第5戦菅生

 天気予報は完全に外れて朝から快晴です。午後から雨の降りそうな気配もありません。そして、菅生ではありえない30度以上の暑さにレーシングスーツやメカニックスーツを着るドライバー、メカニックも大汗をかくような陽気となったのです。
 エンジニアたちは午後1時35分からの予選を前に、タイヤの選択や走るタイミングなど、各車協調して作戦を立てました。


 予選が始まりました。GT300の場合、25分間の混走時間帯に両ドライバーが基準タイムをクリアして、午後2時から10分間のGT300占有時間帯にタイムアタックするパターンが標準です。このGT300占有時間帯で、66号車は山西選手、87号車は井入選手、88号車は坂本選手がそれぞれタイムアタックしましたが、めまぐるしく順位が入れ替わる中、結果的には66号車が8位に残りスーパーラップに進出。87号車は15番手、88号車がそれに次ぐ16番手となりました。
 午後3時40分からのスーパーラップは8番手のムルシェ66号車からスタート、無難に走って1分26秒037と予選1回目のタイムに届きませんでしたが、そのまま8番手のスターティンググリッドが決定しました。
 明日の決勝は午後2時過ぎのスタートとなりますが、天気予報によると曇り時々雨とのこと。しかし、同じ予報のこの予選日が一日快晴だった事を考えるとどうなるか予想がつきません。
 午後5時からはキッズウォークがあり、多くの子供たちがピットウォークを楽しんでいました。


かわら版担当のレース参戦記 第5戦菅生

 日曜日の朝は昨日と同じく好天に恵まれ、気温も朝のウォームアップ走行開始時間には30度を超え暑さが身にしみます。ただし午後からは降雨確率50%という予想で、天候は読めません。
 ウォームアップ走行は午前9時45分からの30分間で、いつもあるサーキットサファリは今回はなく、最後のセットアップはこの30分に集中する事になります。
 このセッションでは87号車が好調で10番手の1分27秒343をマークしました。88号車は1分27秒870で17番手、66号車は1分28秒072で18番手です。とは言ってもこれは満タン状態での決勝シミュレーションで、無理をしても仕方がない場面なのです。


 この日も午前11時30分からたっぷり1時間のピットウォークがあり、数多くのファンがドライバー、レースクイーン、マシンを間近に見ました。
 午後1時5分、8分間の短いフリー走行の後、グリッドにつくためにピットアウトして行く3台のランボルギーニ。スタートドライバーは88号車が坂本選手、87号車は井入選手、そして66号車が山西選手というオーダーです。
 一周約3.7kmの菅生の国際公認コースを81周するこのレース、GT300は74〜5周でゴールを迎えることになります。選手交代のピットインタイミングは87号車が38周目、88号車が40周目、そして66号車が43周目と、ややスタートドライバーが長い設定となっています。ただし、天候の変化でどう変わるかわかりません。
 午後2時、フォーメーションが始まり、1周してレースはスタートしました。序盤は3台とも順位をキープしながら、刻々と迫って来る雨雲を注視する展開になりました。23周目あたりからついに雨が降り出しました。ここですぐに動いたのが87号車でした。24周目にピットインすると、和田選手に交代し、レインタイヤに履き替えました。ところがここでエンジンがかからないトラブルが発生してしまいました。


かわら版担当のレース参戦記 第5戦菅生

 30周目に66号車、31周目に88号車がそれぞれピットインし、レインタイヤに履き替えドライバー交代してピットアウトしていきました。
 87号車も燃料ポンプ系のトラブルでしたが修復してピットアウトして行くことができました。
 35周目には66号車12番手、88号車14番手、87号車21番手という順位でしたが、66号車と88号車は徐々に順位を上げ48周目には10番手と13番手、56周目には、9番手と10番手、そして58周目には7番手と8番手まで順位を上げ、さらに上をめざす体制が出来ていました。


 この頃雨はかなり上がって路面は乾きつつあったので、ドライタイヤに交換するチームとそのままウエットタイヤで行くチームに別れました。
 TeamJLOCの3台はウエットタイヤのままでした。刻々と変わる雨雲の動きをパソコンで見ながらピット側からは66号車、88号車2台にプッシュを指示していました。路面はかなり乾きかけていましたが、蔵王方向からの大きな雨雲がサーキットに近づいていたからです。
 しかし、雨は降り出したもののスリックタイヤの方がややタイムのいい展開になり、結局ウエットタイヤ陣営は順以後退せざるおえず、66号車が12位、88号車が14位、87号車が19位でチェッカーを受け、辛くも3台完走という結果となりました。


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