TeamJLOCは第6戦鈴鹿1000kmを3台揃って完走。通常のレースの3倍以上を走るこの大会での完走は、耐久性や信頼性の面での証明につながる他、多くの走行データが得られた事はチームにとって大きな収穫でした。
また、3台とも不運にも多くの接触損傷により結果的に順位的には思いのままにはならなかったものの、マシンの速さは十分にあり、展開次第では上位入賞も十分に考えられた事についても自信を深めました。
そして鈴鹿1000km前のもてぎでの合同テストでも、66号車がトップタイムをマークし、87号車も1分58秒台に入るなど、好材料も多いわけです。チームはこのよい流れを最大限に生かして第7戦もてぎに望むことになりました。
チームは9月11日木曜日にツインリンクもてぎの10〜12番ピットに3台のランボルギーニを運び入れました。気になる天候はこの日は雨があったものの、ウイークエンドは曇り基調の天候が予報されています。さわやかな秋の風がチームにとって追い風になるよう願うチームスタッフでした。
金曜の練習走行日は暑くなりました。練習走行1回目は9時に開始、気温25度、路面温度は33度でしたが次第に暑くなっていきました。
今回の予選方式はスーパーラップではなく、昨年もこのもてぎで実施された、ノックダウン方式で行われるので、その戦略も考えて走行しなければなりません。
1回目の走行では66号車、88号車はそれぞれ1分57秒台で安定していましたが、87号車のみは2分を切れないでいました。合同テストの時の事を考えてもこのタイムは納得がいきません。ドライバーによるとエンジンに問題がありそうです。
練習走行2回目は午後2時からでした。気温32度、路面温度は44度という真夏のような暑さの中3台のランボルギーニはスタートしていきます。このセッションでも66号車、88号車は順調でしたが、87号車のみは不調です。
明らかにエンジンのパワーが不足しているのです。これはデータロガー上もはっきりしていました。エンジンを何とかしない限りこの状況からの脱出は難しいでしょう。そこで明日の予選に向け87号車はエンジンを交換する事になり、早速メカニックたちは作業に入りました。エンジン交換作業はリヤセクションをすべて取り外して行うため非常に時間がかかりますが、メカニックたちは的確に作業し、午前零時過ぎには作業を完了しました。
土曜日の朝も晴天でした。予選1回目は10時10分からでいつものように最初の20分間はGT300クラス専有、次の20分間はGT500クラス専有、そして最後の20分間は両クラス混走です。今回の予選はノックダウン方式で行なわれるため、このセッションは二人のドライバーが予選通過基準タイムをクリアすることが目的です。
66号車は1分56秒466をマークしてこのセッション3位で予選通過、88号車も1分57秒882で軽く予選通過、昨日エンジン交換して心配されていた87号車も88号車を上回る1分57秒802で予選通過を果たしました。チームの雰囲気は明るく、ピットウォークも華やいだ雰囲気が伝わってきます。
午後のノックダウン方式の予選は午後2時50分からでGT300占有で15分間のタイムアタックを行います。そこで26台中6台がノックダウン、つまり落とされるわけです。ここでも3台のランボルギーニは楽々上位に残りノックダウンされませんでした。GT500の15分のセッションに続き7分のインターバル、そして第2セッションが始まります。
このセッションは10分間のタイムトライアルで20台のうち10台がノックダウンされるというわけです。ここでは88号車、87号車が厳しい状況で上位10台には残れませんでしたが、88号車松田選手が最後に自己ベストで13位に入りました。最後の3セッション目には66号車のみ参加し、8番手という順位でタイムアタックを終了しました。これで明日の決勝は66号車8番手、88号車13番手、87号車19番手からのスタートと決定しました。
日曜日の予報は曇りで午後から雨の確率が50%というものでした。朝は雲が立ちこめて午後からの雨が心配されましたが、ウォームアップ走行の始まる9時45分頃には晴れ間も見えてきました。
3台のランボルギーニは順調にセットアップを進め、66号車と88号車は共に1分57秒台でこのセッションの9、10番手のタイム。87号車もタイムこそ1分59秒台、19番手でしたが順調な仕上がりを見せた。
決勝は2時からですが、スタートドライバーは66号車は山西選手、88号車は松田選手、87号車は栗原選手と決まりました。
午後1時過ぎに短いフリー走行の後、グリッドに並んだ3台のランボルギーニ。66号車山西選手はコクピットに収まるとレーシングスーツのポケットや背中や腹の部分に氷をたくさん仕込みます。ムルシエラゴのコクピットはガイヤルドに比べて非常に暑くクールスーツを装備していても今日は暑いのです。63周するレースですが、スタートドライバーは30周前後を担当することになっています。
午後2時、フォーメーションラップが始まりました。1周まわって綺麗にスタートし、第1コーナーに入っていったとたん、他車との接触を避けた87号車がスピンしてしまいました。これで最後尾まで順位を落とした87号車ですが、損傷はなく追い上げていきます。4周目今度は88号車に4号車が追突し、左リヤを破損してピットに帰って来ました。損傷は大きく、一度はピットアウトしたものの、再度ピットインするとドライブシャフトが折れていました。交換に時間がかかるため88号車は完走とファステストラップを狙う作戦に変えます。
その間66号車は順調に順位を上げていきます。8位スタートでオープニングラップで7番手、4周目に6番手、10周目に5番手、そして18周目には4番手になりました。
87号車が30周目にピットインし栗原選手から和田選手に交代してスタートしていきます。そして66号車が33周目に3番手となってピットイン。山西選手から余郷選手に交代します。給油時間が長い分、リヤタイヤだけの交換で出て行ったのは予定されていた作戦でした。5番手でコースに戻った66号車の追い上げが始まります。
66号車余郷選手は落ち着いていました。巧みなドライビングでオーバーテイクし、36周目に4位、38周目に3位、42周目には2位にまで上り詰めました。
47周目に、優勝した19号車の接触を伴う強引なパスにはあったものの、危なげなく走り、3位をキープしファイナルラップに入りました。
チェッカーを受ける66号車を見ようとチーム全員がプラットフォームに集まります。走って来た66号車余郷選手は無事3位でチェッカーを受け、フェンスギリギリを走ってチームの声援に応えました。
87号車も燃料切れでピットインしましたが完走。なお88号車はレース後半で、ファステストラップを記録しましたが周回数不足でポイントゲットはなりませんでした。
表彰台に上る山西選手と余郷選手に会心の笑みがこぼれていました。今年初めての表彰台ですから、チーム全員大喜びでした。