かわら板担当のレース参戦記 第8戦オートポリス

かわら板担当のレース参戦記 第8戦オートポリス
 TeamJLOCは第7戦のもてぎ大会で66、67号車が揃って完走したこと、そしてラップタイムや最高速度が他車と比べてまだまだ劣る事を理由に GT-Aスポーツ部会に対し再度66、67号車の性能調整を求めました。その結果両者さらに0.5ランクアップという性能調整が認められました。
 1ランクアップというのはリストリクター(吸気制限)を1サイズアップできる、もしくは車両重量を50kg軽くできる事です。つまり0.5ランクでは25kg軽量化するか、リストリクターを1ランクサイズアップして25kg重くするかの選択ができるのです。
 今回はエクステリアではリヤウイングの位置が若干低くなり、リヤフェンダー上部の形状が変わりました。そしてエンジンは圧縮比を高め、パワーをアップしています。さらにリヤの足まわりなども改善されているのです。
 また、復帰が期待されているムルシエラゴ2台については、今回も参戦を見合わせることになりました。

 ティームは10月11日木曜日に大分県のオートポリスに入りました。朝晩はもう秋らしい涼しい気候ですが、日中の直射日光はそれなりにあり、一日の温度変化が激しいようです。気象予報によるとこのレースウイークは概ね晴れか曇りで、雨の心配は余りないとのことでした。

かわら板担当のレース参戦記 第8戦オートポリス
 金曜日は練習走行日です。ここ、オートポリスは高低差のあるテクニカルなコースで、その最大の特徴はピットから左方向に走るコースレイアウトです。
 ガイヤルドRG-3にとって不利なのは給油口が外側になり、給油マンはマシンの後ろからまわり込んで給油口に走らなければならないことです。
 またこれは全車共通ですが、ピットから見ると他のサーキットは左から右へ走るのに対し逆まわりなコースとなるのでサインマンは左手でサインボードを出すことになります。
 午前9時30分からの1回目の走行では、66、67号車共に順調に走り、1分57秒台をコンスタントに出していました。66号車は1分56秒505というべストラップを記録。また、67号車はエキゾーストパイプの変更により、ランボルギーニらしい甲高いエキゾーストノートで走るのが印象的でした。

 この日はここオートポリス独自のウエルカムランチがあります。近隣でとれる食材を使った料理がドライバーズサロンに並び、全ティームのドライバーや監督が集まるのです。TeamJLOCも則竹監督以下4人のドライバーが出席しました。
かわら板担当のレース参戦記 第8戦オートポリス
 午後2時からの2回目のセッションでも2台のセットアップは順調に進み、明日の予選は1分55秒台前半が見込まれ、余裕を持って予選通過できるという予測が立てられるまでになりました。

 土曜日もいい天気でした。ドライバーズブリーフィングに出席する4人のドライバー、早朝から車検のために車両を整備するメカニック達、いつもの土曜日の朝の光景です。今回もスーパーラップ方式の予選です。
 10時20分GT300の占有で予選が始まり、66、67号車共にピットアウトしました。67号車の和田選手が1分54秒974、あとの3選手は1分55秒台を記録して、21、22番手で予選を通過しました。GT300は今回25台が参加しており、明日の決勝では後ろに3台いる位置からのスタートになります。
 ここ九州でもピットウォークにたくさんのファンがつめかけ、レースクイーンとランボルギーニ・ガイヤルドRG-3の人気は高かったです。
かわら板担当のレース参戦記 第8戦オートポリス

 1回目の予選で決勝のグリッドが決定したため、午後からの予選はセットアップに使うことができます。こうして午後2時30分からの15分間の予選は決勝に向けて微妙な調整ができました。
 明日の目標は、より高い順位での完走であり、それに向けて則竹監督はじめ、メカニック、スタッフ、そして4選手も気合いがはいっています。その気合いを象徴するようにオートポリスはキリッとした冷気に包まれていました。

 オートポリス大会もいよいよ日曜日の決勝当日を迎えました。午前9時25分から、30分間のウォームアップ走行があります。66、67号車とも決勝のシミュレーションとして満タン状態での走行をします。
 66号車古谷選手、67号車和田選手が6周ほど確認走行をした後、スタートドライバーとなる66号車栗原選手、67号車黒澤選手が走行を始めます。ところが66号車がドライブシャフトのトラブルで止まってしまいました。
 走行終了後、車両回収してピットに戻って来るはずの66号車がいつまでたっても戻って来ないのでオフィシャルに問い合わせると、誤って車検場に持っていってしまったといいます。メカニックが車検場に行き点検すると左のリヤの足まわりがかなり壊れてタイヤがブラブラの状態でした。
 ピットに帰ってきた栗原選手に事情を聞くと、オフィシャルがクレーンで釣り上げる際に作業ミスで1メートルほど釣り上げた所から何度か落としたというのです。事態の深刻さにオートポリスの副所長まで平謝りに謝ってきましたが、この時点でグリッドに並ぶまでの時間は3時間弱しかありませんでした。

 オートポリスのオフィシャルの2重のミス、つまりクレーン作業ミスでの車両破損と、ピットに戻すべき所を車検場に持っていってしまったことによって、窮地に追い込まれた66号車のメカニック達はすぐに作業に入りました。午後1時5分からの8分間のフリー走行とその後5分でグリッドまで行かなくてはならないのです。

 結局1時5分からのフリー走行が始まってすぐに66号車は応急修理が完了し走り出すことは出来ました。そして、67号車と共にグリッドに一度は並んだのですが、ガソリンが若干漏れていることが判明し、スタート前にピットにメカニックが押し戻しました。この燃料系のダメージも落下の際に破損したもので、これによってピットスタートとなってしまいますが、修理はしなくてはなりません。
 そして66号車はスタート前にピットレーン出口につくことが出来ました。メカニックは大変な作業を何とかこなしきったのでした。

 フォーメーションがスタートして1周回ってスタートが切られます。最後尾の車両がコントロールラインを過ぎるとピットレーン出口のランプが赤から青になり、栗原選手の駆る66号車がスタートして行きました。
かわら板担当のレース参戦記 第8戦オートポリス
 67号車21番手、66号車25番手でスタートしましたが、66号車栗原選手が猛烈な追い上げをしていきます。10周目には67号車19番手66号車20番手まで順位をアップ、ランデブー走行から今度は栗原選手がリードして行ったのでした。
 25周を回って、66号車は16位、67号車は17位と順位を上げていました。ところが、66号車栗原選手が減速がうまくいかずスピンしてコースアウトしたところへ、他車が突っ込んでフロントを破損してしまいました。残念なリタイヤです。
 67号車はその26周目にピットインして黒澤選手から和田選手に交替し、燃料満タン、ニュータイヤでピットアウトして行きました。
 ところが31周目、その67号車がクラッチトラブルで緊急ピットイン。メカニックが点検したがすぐには修理できず、これで67号車もリタイヤとなったのです。


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