かわら板担当のレース参戦記 第7戦もてぎ

かわら板担当のレース参戦記 第7戦もてぎ
 TeamJLOCは第6戦の鈴鹿大会で67号車が1000kmを完走し、かつラップタイムや最高速度が他車と比べて劣る事を理由に GT-Aスポーツ部会に対し、66、67号車の性能調整を求めました。FIA-GT3仕様のガイヤルドは本来格段の性能調整をしないとN-GT規格の国産車勢に対当だとは言えないのです。

 これに対してGT-Aからはレースウイークになってから(そんなタイミングで回答されても対応が大変なのですが)66号車については1ランクアップ、67号車ついては鈴鹿1000km完走の実績から1.5ランクアップという性能調整が認められました。
1ランクアップというのはリストリクター(吸気制限)を1サイズアップできる、もしくは車両重量を50kg軽くできる事です。
また、ムルシエラゴについては今回も参戦を見合わせることにしました。

 ティームは9月6日木曜日に栃木県のツインリンクもてぎに到着しましたが折から台風9号が直撃コースで向かってきているため、レースカーと工具など必要なものを32、33番ピットに入れてシャッターを降ろしました。気象予報によるとこの台風9号は明日金曜日午前中、栃木県を直撃するとのことです。
その後は急速に天気は回復しレースウイークは天候はおおむね良好とのことです。ただ、台風のもたらす南からの空気で非常に蒸し暑く選手に厳しいレースとなりそうでした。

 台風9号は首都圏を直撃し栃木県は金曜日午前中に通過していきました。この日の練習走行は午前中と午後の2セッション予定されていましたが、台風通過後の午後1時15分からの2時間に加え、そのあと各クラス15分の占有走行というように、スケジュールが変更されました。
 台風は午前9時頃がピークでそれ以降は徐々に雨も風もおさまってきました。正午を過ぎると雨も弱くなり次第に走る事ができる路面になってきました。
しかし一部のコーナーではまだ川が流れているような状態でもありました。午後1時になると路面は濡れているものの雨は上がって走行準備がはじめられました。
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 66号車は栗原選手、67号車は和田選手が時間になると走りはじめました。67号車は12周したところでピットインしましたが用意していた黒澤選手が乗る前にミッションの異常が発見され修理に入りました。

 日が照りはじめだんだん暑くなってきましたが、66号車は好調でどんどん周回していきます。しかし栗原選手は交代できません。実は前日台風のために新幹線が止まって古谷選手は静岡で足留めされていたのでした。その古谷選手がサーキットについたのが午後2時40分、GT300占有時間帯にはいってからそれでも4周ほど出来ました。
実に2時間ほど走り続けた栗原選手はさすがに疲れてはいましたが2分2秒台をコンスタントにマークするまでセッティングを煮詰めてくれていました。

 土曜日は夏が戻ってきたかのような暑さとなりました。予報適中です。今回の予選方式はいつものスーパーラップ方式ではなく、ノックダウン方式というF1でも採用されている新方式が試験的に採用されました。
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 午前中の予選は今までと同じく各クラス占有の20分と混走の20分がありますが、これは基準タイムをクリアするためでここでは順位は決定しません。2回目の予選がいわゆるノックダウン方式でGT300クラスの場合は1回目の15分間の走行で25台のうち20台が2回目に、そして5台がノックダウンされるというわけです。
そして2回目の走行で20台のうち10台が3回目にいけるという事になるわけです。ドライバーは午前中の予選で2人とも基準タイムをクリアしていれば1、2、3回目とも自由というルールです。

 ところが67号車にトラブルが発生してしまいました。具体的にはミッションの不調で一番使う3速に入りにくいというものでした。予選が始まると66号車は両選手とも難無く予想基準タイムをクリアしましたが、67号車については両選手共にギリギリのタイムを出すのが精一杯でした。
午前中の予選が終了し、67号車黒澤選手のタイムがほんのわずか基準タイムに満たない事がわかりましたが、ミッションを直して午後の1回目のノックダウン予選でクリアしました。

 その1回目のノックダウン予選は66号車22位、67号車24位で終了し、両車とも2回目には進めなかったのですが予選を無事通過しました。明日の決勝では何としても2台揃って完走し車両の走行データを残しつつ、ポイントをあげたいところです。

 日曜日も天候は良好でした。朝のウォームアップ走行は9時45分から30分ですがその前にサーキットサファリがあるので実際には9時30分から走りはじめます。サーキットサファリは観客が乗った観光バスが実際にコースを低速で走行し GTカーの走りを間近で見る事ができるイベントです。66号車も67号車もこの走行で、最終セッティングを行い決勝に備える事が出来ました。

 ウォームアップが終了すると、10時50分からピットウォークが始まります。ここでもJLOCの人気は高く、多くのファンがピットに訪れ、応援してくれました。
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 午後になると決勝に向けての一連のスケジュールが始まります。1時過ぎに短いフリー走行がありその後グリッドに向かう各車。ガイヤルド2台も元気にグリッドにつきました。グリッドでは2台揃っての決勝進出で盛り上がっています。

 ローリングラップが始まり午後2時、いよいよ決勝のスタートがきられた。22番手からスタートの66号車は栗原選手が、 24番手からスタートの67号車は黒澤選手がそれぞれスタートドライバーをつとめましたが、2人ともアグレッシブな走りを披露し、性能的には劣勢であるのに20周目までに66号車は21番手、67号車も22番手まで順位を上げていました。凄い頑張りです。

 63周のレースですがGT300は59周でチェッカーを受けます。TeamJLOCは少し早めの26周目に67号車がピットイン、燃料満タンニュータイヤで和田選手に交代しピットアウトしていきました。次の周に先行している66号車がピットインし、同じく燃料満タンニュータイヤで古谷選手が出ようとしましたが、エンジンがかかりません。急ぎピットに入れて点検しましたが、セルモーターが過熱してバッテリーの電力を消耗した模様でした。バッテリーを交換しセルモーター部分を冷すとエンジンがかかり、ピットアウトする事が出来ました。

 暑い暑いレースは後半となっていました。30周目67号車は21位、ピットアウトが遅れてしまった66号車は24位を走っていました。和田選手も古谷選手もベテランらしい安定した走りをしていましたが、それでも次第に前車との間合いを詰め、狙うチャンスが来ると、すかさず前車をパスします。
50周目には67号車は20位に上がり、66号車も23位につけていました。そして、チェッカー前にそれぞれ1つづつ順位を上げて19位と22位でゴールしました。

 開幕戦から悲願の2台揃っての完走ができ、ティームも安堵の雰囲気がありました。
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