かわら版担当のレース参戦記 第4戦マレーシア

かわら版担当のレース参戦記 第4戦マレーシア
 TeamJLOCはル・マン24時間レースに参戦し、その1週間後のスーパーGTマレーシア大会に臨むためセパンサーキットに乗り込みました。私『め』と山西、余郷両選手はフランスからマレーシアへ直接です。
この大会は海外戦のためGTからの支援枠に限りがあり88、87号車は支援されたものの、今年から参入の66、67号車は完全自費参戦となります。
 88号車は現在27ポイントでポイントランキング4位、87号車も10ポイントでランキング9位です。今回ル・マン24時間レースの事故により不参加のマルコ・アピチェッラ選手のリリーフとして88号車山西選手と今回コンビを組むのはベテランの松田秀士選手となりました。

 台数の関係から2ピット分のスペースを3台でシェアするスタイルで、中央の18〜20番ピットにおさまったJLOCの4台のランボルギーニは、現地でもっとも注目を浴びる存在でした。
 今回は過酷な暑さとの戦いとなるため、マシンにはそれぞれ熱対策が施されています。ムルシエラゴ2台についてはダクト類の追加の他ル・マンカーでも試みられて効果のあったルーフのミラー処理が施され、ガイヤルドもサイドウインドウに紫外線カットのフィルムを貼るなどの処理が施されています。
 予報によるとこのレースウイークは天候は良好ですが、この地方ならではの突然のスコールも考慮しなければなりません。

>>6月21日木曜日
 6月21日木曜日はレンタカーでコースの下見ができるので、このコースが初めてという66号車の栗原選手もコースを頭の中に叩き込むことになります。セパンサーキットはクアラルンプール国際空港の東3.5kmに位置し、V字に繋がる2本の長いストレートが特徴的なコースです。TeamJLOCは2004年にGT500で出てから、ここ2年は来ていません。
 木曜日午後3時より、レンタカーでのコース下見の時間となりました。先輩でありチームメイトの古谷選手が説明しながらコースを数周し栗原選手にコースを教え込みます。ピットに戻って今度は栗原選手が運転しコースに出ていきます。他の選手、また時々はスタッフも参加しますが、栗原選手はずっと乗り続けました。
もちろんこのレンタカーでの走行はレースカーとは絶対的スピードが違いますが、ここで走っておくことはコースを覚える上で重要なのです。

>>6月22日 金曜日
 金曜日の練習走行は国内と同様2回のセッションがある。天候は良好で午前11時30分から1回目のセッションが始まりました。JLOCも2台のムルシエラゴが快音を轟かせながらスタートし、まもなく67号車も走っていきましたが、66号車はエンジンが不安定でピットに留まっていました。エンジンはかかるのですがアクセルに反応せず吹けないのです。
操作系に異常はなく明らかにコンピュータもしくは配線(これは航空機にも使用されている特殊なもの)のトラブルです。

 1回目のセッションで87号車はベストタイム2分9秒401で8番手、88号車は2分9秒908で12番手のタイム、そして67号車は2分17秒219と22番手のタイムでした。
 2回目のセッションは午後4時15分から始まります。またこのセッションの最後にはいつものように15分ずつの各クラス占有時間があります。2回目のセッションでは87号車は2分7秒677で5番手に、88号車は2分8秒629で12番手、そして67号車もタイムを2分13秒464まで上げていましたが、66号車は結局午前中からのエンジントラブルの原因がつかめず、未出走のままでした。
 明日の目標は88、87号車はベスト10入りしてスーパーラップ進出、66、67号車は予選を通過することでした。

>>6月23日 土曜日
 土曜日も天候は安定していました。午前11時からの予選を前にドライバーにはブリーフィングが、そしてメカニックには車検があります。車検については4台揃ってパスしたものの66号車に関してはメカニックは2日間徹夜に関わらずトラブルが解決していません。
 GT300クラス占有の予選が始まりました。88、87号車、そして67号車もピットアウトしますが、66号車はピットに残ったままです。87号車は9番手、88号車はハンデウエイト30kgを積んでいるためか12番手とタイムが伸びません。そしてなんと67号車はトラブルでストップしてしまいました。
 20分のインターバル(GT500占有時間帯)をおいて両クラス混走時間帯にもう一人の選手が基準タイムをマークします。87号車の余郷選手はタイムアップして7番手に、そして松田選手が基準タイムをクリアすると再びアタックする88号車山西選手。
 そしてついに終了直前に9番手となり、これでムルシエラゴは2台揃ってのスーパーラップ進出となりました。67号車は駆動系のトラブルでストップしてしまったようで和田選手が走っていないため午後4時からの2回目の予選にかけることになりました。また66号車メカニックもそれまでに何とかエンジンをコントロールしたいと必死でした。

 午後4時からの2回目の予選ですが、1回目の予選を通過していない66、67号車はわずか15分の間に2名の選手が基準タイムをクリアしなければなりません。ここでも66号車はエンジンが不調でした。67号車は和田選手が走りはじめましたが、こちらも調子が悪く3周ほどでピットインしてしまいました。
 一方88、87号車はスーパーラップの準備をしていました。2回目の予選が終了し、スーパーラップが始まります。87号車は桧井選手がアタックしましたが2分9秒台、続いて88号車の山西選手がアタックしましたがこちらも2分8秒台のタイムでした。タイムが伸びなかったのは両車とも新品のマーキングタイヤ3セットを1回目の予選で使い果たしていたためです。

 今回のスーパーラップでは2分6秒から7秒台の戦いのため、明日の決勝は88号車は9番手、87号車は10番手スタートとなりました。
かわら版担当のレース参戦記 第4戦マレーシア
 67号車については明日の朝のウォームアップ走行の様子を見て決勝出走をきめることになりましたが、66号車は明朝の技術検査員の判定を待つこととなりました。66号車のメカニックはもうこれで3日間ほとんど寝ないでエンジン不調の原因を探っていましたが、その努力は報われていませんでした。古谷、栗原両選手も非常に残念そうでしたがどうしようもないのです。

>>6月24日 日曜日
 決勝日の朝を迎えました。午前11時からのウォームアップ走行は通常30分ありますが、今回は15分走った後次の15分は観光バスがコースに入り、その中をレースカーが走っていくサーキットサファリが実施されました。さらに15分のウォームアップがあるので計45分走ることになります。

 11時ちょうどに勢いよくピットを離れたのは67号車和田選手。続いて88、87号車もピットアウトしていきます。ところがモニターに67号車が止まっている姿が映し出されました。和田選手からの無線ではまたも駆動系らしいということです。まるで何かに取り憑かれているようです。今回はガイヤルド2台とも決勝に出場で来ません。残念ですが仕方がありません。
 88、87号車は順調に周回を重ね、満タンでのバランスチェックやドライバー交替の練習など予定のメニューをこなしていきます。ウォームアップの時間をいっぱい使って決勝の作戦が立てられたようです。
 12時45分からはピットウォークの時間。今回はでちゃうガール4名と、JLOCレースクイーン1名が、はるばるマレーシアまで来てくれました。

 午後4時からのスタートに向かってセレモニーが進行していました。今回のスタートドライバーは88号車は山西選手、87号車は余郷選手です。本当に暑いのでクールスーツやドリンクなども入念に点検されます。
かわら版担当のレース参戦記 第4戦マレーシア
 日本国歌に続きマレーシア国歌が流れるといよいよスタートです。各車一斉にエンジンがかかり、ローリングラップが始まりました。1周して順調にスタートがきられ、88号車も前車に若干差をつけられながらスタートしますが1周目に帰ってきた時にはほとんど肉迫していました。
そして2周目に6位に上がると88号車山西選手の怒濤の快進撃が始まりました。

 5周目に5位、7周目に4位、そして8周目には3位に上り詰めました。87号車余郷選手も2周目に8位になるもののスピンを喫して12位まで順位を落としました。しかし、17周目に10位に復帰、19周目には9位に上がっていました。
 54周で競われるこのレースですが、GT300クラスは50周ほどでチェッカーを受けると予想されました。88号車は2位となり、少し早めの23周目にピットインし、山西選手から松田選手へバトンタッチ。また24周目には87号車もピットインして余郷選手から桧井選手に交代し後半戦に入りました。
かわら版担当のレース参戦記 第4戦マレーシア
ムルシエラゴは給油に時間がかかるので、今回もリヤタイヤだけ交換する時間短縮作戦が展開されたのでしたが、特に88号車はピットインが長引き、コースに戻ってみると87号車が12位、88号車は14位まで転落していました。それでも87号車桧井選手は30周目に11位、32周目10位、そして37周目8位とじりじり順位を上げます。一方、88号車は37周目に13位に上がりました。

 50周目87号車は7位でチェッカー、88号車も12位でチェッカーを受けました。こうして2台とも完走しマレーシア大会は幕を閉じたのでした。
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