かわら版担当のレース参戦記 第2戦岡山

かわら版担当のレース参戦記 第2戦岡山
 第2戦の岡山大会です。昔TIサーキットという名前でしたが今はオーナーも変わって岡山国際サーキットという名前になっています。昔も今も変わらないのは遠いということです。

 4月5日木曜日に東京からメカニックやアシスタントマネージャー達と早朝出発して東名、名神、中国と高速道路をひたすら西に向かいます。ドライバー達は今回飛行機でいくので別行動です。ひたすら走って午後3時頃に岡山国際サーキットに到着です。
ピットは最終コーナーよりの1から18まであってそれぞれのピット番号がABCに分かれているので54ピットあるわけですが今回はコントロールタワー近くの17〜18ピット。

 18Aピットには67号車triple aガイヤルドRG-3、隣の17Cピットには66号車triple aガイヤルドRG-3、17Bピットに87号車マルホンムルシェRG-1、そして17Aピットに88号車アクティオムルシェRG-1がそれぞれ入りました。この88号車には前回の4位入賞のウエイトハンデが5kg積まれていますが、これについてはそれほどの影響はないでしょう。

 4月としては肌寒い気温で、週末は一応晴れますが金曜日は一時雨も予想される不安定な天気予報でした。天候の変わりやすいサーキットでもあるので、レースカーにとっては路面温度も含め路面状況が気になる所です。

 開幕戦では、エンジン関係で非常に苦労したガイヤルド2台も完成したカラーリングとともに十分に走れる状態に仕上げられていました。また、コンピューターのセットアップ専門の技術者もイギリスから再度来日しており、今度こそはエンジンの調整も万全というわけです。
 66号車と67号車についての今回の目標は、予選通過と完走。開発途上のマシンの第一関門ですね。また、熟成の進んだ88号車と87号車の今回の目標は、スーパーラップ進出と好順位入賞です。頑張りましょう!

>>4月6日金曜日
かわら版担当のレース参戦記 第2戦岡山
 金曜日は練習走行日です。午前10時05分からの一回目のセッションでは、4台とも快調に走りはじめました。88号車は1分32秒120、87号車は1分33秒171というベストラップを記録し、セットアップを進めることができました。
 66号車は1分48秒台で慣らし走行をしていましたが、67号車はレーススピードで走りはじめ、1分39秒台をマーク。2回目のセッションは午後2時からでしたが、その前の予備車検で66、67号車の燃料タンクに安全ケージをつけることを車検通過の条件に出されてしまったのです。
 ガイヤルドの燃料タンクは安全タンクであることはもちろん10mm厚のアルミハニカムパネルで覆っており、安全性は十分考慮されていたのですが、技術オフィシャルの外観的判断でさらにそれをケージで囲むように指示されたのです。これにはまいった!
 メカニックは急ぎ車検に間に合うよう、鋼材等を調達し加工をはじめたが、徹夜の作業をしても予選ギリギリの時間になりそうでした。

 2回目のセッションでは88号車は1分31秒523を記録し2番手のタイム、87号車も1分32秒971を出して11番手のタイムでした。この2台は予定通り明日の予選でスーパーラップを狙います。
 予定の狂ったガイヤルド組でしたが、午前中タイムのでなかった66号車も1分38秒834を記録し、2台揃って燃料タンクの加工のためリア部分の分解が始まりました。

 この日の夕食は中華料理。ドライバー8人の食欲は物凄く出される料理がどんどんなくなっていきます。負けじと私はアルコールをどんどんなくします。ドライバーで飲む人もいるのですが、最近の我がティームではレースウイークはドライバーは飲まないという暗黙の法律が出来上がっています。当たり前といえば当たり前なのですが。

>>4月7日土曜日
 金曜日の夜に一雨ありましたが、土曜日の朝は晴れていました。早朝より車検があるのですが88号車、87号車、そして66号車は車検に間に合いましたが、67号車については鋼材のアーク溶接機が一つしかなく、66号車の溶接が終了してからはじめたので間に合いませんでした。午後の予選までに作り上げることとして67号車は1回目の予選を走れませんでした。これが後々悪循環となるのですが。
かわら版担当のレース参戦記 第2戦岡山
 午前10時25分からの1回目の予選が始まりました。はじめの20分間がGT300占有、次の20分間がGT500占有、最後の20分間が混走時間帯です。GT300占有時間に88号車アピチェッラ選手、87号車桧井選手、66号車古谷選手がそれぞれタイムアタックし、88号車は1分30秒799で3位、87号車は1分31秒303で9位、66号車も1分37秒669を記録して予選を通過しました。

 67号車は午後1時からの再車検で合格し、午後の予選の走行が可能になりました。しかし、2回目の予選はクラス別で15分しかなく、67号車はこの間に黒澤、和田両選手が基準タイムをクリアしなければならなりません。ところが、車検通過後行っていた走行準備があと十数分のところで整わず、午後2時30分からの2回目の予選に出走できませんでした。ティームは決勝出場の嘆願書を審査委員会に提出し裁定を待つことに。
1時間後の裁定で翌日朝のウォームアップ走行で両ドライバー共に1分38秒台で走行することを条件に最終予選通過とする旨、通達がありました。これまで後手後手にまわってきたのですが、明日の朝、うまく行けば取り返せるわけです。

 午後の2回目の予選が終了するや否やすぐにGT300クラスのスーパーラップが始まりました。スタートして2周し、3周目にタイムを計測し、このタイムで改めてトップから10位までの順位を決定します。1回目の予選で10位の車両から始めるので87号車は2番目に走ります。桧井選手がアタックしますが1分32秒100で午前のタイムを上回れませんでした。

 88号車は3位なので8番目にアピチェッラ選手がアタックしましたが1分31秒048にとどまり、結果的には88号車が6位、87号車が10位という予選結果となりました。

 67号車のメカニックは限りある時間内で、できる限りの車両チェックをして、明日の出走に備えます。もちろんその他の3台のメカニックも決勝に向けての整備に余念がありません。作業は深夜まで続きました?この日の夕食は和食屋さんです。焼き魚や豪快な鍋などで明日の決勝に鋭気を養います。

>>4月8日日曜日
 ついに決勝日を迎えました。朝9時25分から30分間のウォームアップ走行があります。天候は晴れて爽やかな気候です。88号車、87号車、66号車はそれぞれ決勝のための最後のセットアップを、そして67号車は決勝出場をかけての走行に挑みました。

 67号車は和田選手が乗ってスタートしてからすぐに1分37秒台をマークしピットイン。黒澤選手に代わってピットアウトしましたが1分40秒台を出したところで駆動力を失い止まってしまいました。点検するとドライブシャフトにトラブルが見つかったのですが、審査委員会の裁定で決勝進出は認められませんでした。なんとも残念な結果ですが仕方がありません。

 なおウォームアップ走行で88号車は9番手、87号車は11番手、66号車も26番手で快調に走りました。
かわら版担当のレース参戦記 第2戦岡山
 午前11時からはピットウォークがあります。JLOCレースクイーン(今回は5名)と、でちゃう!ガールズ8名も人気がありました。ピットウォークが終わると、決勝ヘの進行が始まります。
かわら版担当のレース参戦記 第2戦岡山
 午後1時5分過ぎに短いフリー走行がはじまります。これは8分間のフリー走行で、決勝走行のためのいわば最後のウォームアップ走行です。67号車を除く3台は軽く走ってピットイン。このあと決勝グリッドにつくためにピット出口が5分間だけ解放されると、88号車、87号車が相次いでピットアウトしていきました。

 そして最後に66号車、そして67号車もランデブー走行でピットアウトしました。67号車は決勝には出られないけれど、グリッドにつくことだけは許されたのです。

 セレモニーも終わっていよいよスタート前のローリングラップが始まりました。スタートドライバーは88号車がアピチェッラ選手、87号車が桧井選手、66号車が古谷選手です。ローリングラップが終わりそのままスタートが切られましたが、3台とも順調にスタートしていきました。

 11周目には87号車が9位に、そして88号車は15周目には3位につけていました。このまま行けば表彰台確実と思われていましたが、何と20周目の最終コーナーでコースアウトして止まってしまいました。

 それでも23周目には87号車が4位までポジションアップ。今回のドライバーチェンジは40周前後を予定していましたが、87号車は少し早めの35周目でピットインし、燃料満タンリヤタイヤのみの交換で余郷選手が素早くコースに戻りました。66号車も23番手まで順位を上げて栗原選手に交代してピットアウトしました。
かわら版担当のレース参戦記 第2戦岡山
 レースは後半戦になっていました。40周目には87号車11位、66号車24位でしたが、他の車両がピットインする度に順位が上がっていきます。47周目には87号車は7位、66号車も23位まで順位を上げました。

 53周時点では87号車5位、66号車22位となりレースは終盤に突入しました。87号車余郷選手はついに4位となりゴールイン、66号車の栗原選手も21位で見事初完走してチェッカーを受けました。プラットホームにはティーム全員が駆け寄って2台のランボルギーニを迎えました。

>>レース終了後のコメント
87号車 桧井選手
「結果的に4位というのは嬉しいです。チャンピオン狙えますからね。今回も我慢、前のポルシェが順位上げていったからこちらも順位を上げられましたけどちょっと不完全燃焼かな。次はもっともっと頑張ります」

87号車 余郷選手
「新しいティームで4位というポジションは正直嬉しいです。46号車を抜くのに手間取りました。でもシリーズとして2戦目で4位はいいポジションです。次の富士、そしてセパンといい成績で進みたいですね」

88号車 アピチェッラ選手
「いい状態で走っていたけどいきなりステアリングがアンコントロールになってしまった。確実に表彰台を狙えたから残念だよ。次はマシンを完全にしてもらって再び表彰台を狙います」

88号車 山西選手
「せっかくのポジションでもったいないですね。次回も頑張ります」

66号車 古谷選手
「今回もいろいろバタバタしましたけど、まあ完走できて良かったですね。これでやっとスタートが切れましたから。次も頑張ります」

66号車 栗原選手「とにかく完走できて嬉しいです。次に向けて自分ももっと成長したいと思います。とにかく精一杯頑張りますのでよろしくお願いします」

67号車 黒澤選手
「今回はちゃんと走れると思っていたのでとても残念です。次回までテンションを持ち続けますので、よろしくお願いします」

67号車 和田選手
「残念ですね。クルマは出来ていたんですけどね。まあ、これもレースということで、次回は頑張りますよ」

則竹監督
「ちょっと悔しいレースでしたね。特にマルコは悔しがっていることでしょう。でもムルシェ2台は熟成の域に達し、トップ争いできるのは嬉しいです。66号車も今回はきちんと予選を通り、走り切って完走を果たしたのは凄いことだと思います。今日が新しいスタートです。そして87号車の桧井、余郷選手、おめでとう」

 さてレースが終わるとかたずけです。午後7時半頃サーキットをでてひたすら高速を東へ。早くしないとサービスエリアのレストランが閉店に。とにかく急いで何とか9時前にレストラン到着。食事をしてひたすら東へ、東京都に入ったのは午前2時半頃でした。お疲れ様です。

 ということで次回は5月の富士です。88、87号車はポイント争いの真只中です。66、67号車も今度は揃って完走できるよう頑張ります。


Copyright © 2000 Japan Lamborghini Owner's Club All Rights Reserved.