給油担当のレース参戦記(富士)

給油担当のレース参戦記(富士)

 第2戦岡山国際から約1ヶ月、例年恒例のゴールデンウイークの富士です。今回は500kmの長いレース、と言いたいところですが、今シーズンは1000kmレースが控えています。
 ティームは、壊れて消火剤のかかった87号車をバラバラにしてお掃除からです。ドライブシャフトのブーツが破れてグリスが飛び散り、エキゾーストの熱で火が付いたようですが、和田選手がマシンを止めてすぐに火を消したおかげで大きな被害は有りませんでした。しかし粉消火器は、最悪です!!!
 メカニックが、一生懸命お掃除しましたので誰も気が付かないと思いますが本当に大変だったようです。

 5月1日、私はティーム本隊と静岡で合流。しかし岡崎付近の渋滞で少々遅れています。13時から搬入なので余裕も有ります。広い富士スピードウエイの1番、2番ピットは余りにも広すぎる?(狭くて文句を言い、広くて文句を言う、ただのわがままですね!)
 今日は、前回の岡山の影響でサーキットでの残りの作業が山のように残っています。88号車はよいのですが、87号車は、組みあがっただけです。これからアライメントなどの作業です。設営もほどほどに作業に取り掛かります。遅れた理由は、他にもル・マンのこと、JLMC菅生のこと色々ありまして、た〜〜いへんなんです!!
 10時ごろ終了してお食事に富士吉田まで。ホテルの近くの和食屋さんです。初めて来ましたがおいしい鉄火丼をペロリ、作業中カップ麺でも食べようかと思いましたが作業に没頭していて忘れてました。コップに半分ほどビールをもらい、カーーー!!て感じ、わかるかな〜わかんねだろな〜〜〜〜!!
 大浴場でお風呂は入り、テレビのスイッチを入れたら?次は朝でした?!!

 5月2日は練習日です。外は霧&雨。う〜ん走れるかな?ホテルで朝食後6時45分出発、一応コンビニによってジュースとおつまみを買っておきます。
 サーキットは霧に包まれてよく見えません。雨も降っています。昨夜の作業でローダウンフォースのリアウイングを取り付けました。トップスピードを少しでも上げたいRG-1の富士対策なんですが、雨でも大丈夫かな?
 1回目走行はスタートが少々遅れましたが、雨の中走行開始。88号車檜井選手、87号車WADA-Q選手、雨のセットUPはしない予定ですが、一応リアウイングのテストです。走行早々に霧のため中断、延々まちました。リアウイングをハイダウンフォース仕様にもどし、それぞれマルコ選手、山西選手に交代しましたが、今度は大雨で中断、雷まで登場しました。(本当にビックリです)
 危険と判断し1回目の走行はやめにしました。リストリクターを1ランク大きくする代わりに50kg積む事を選んでいるので、なるべく走行したいのですが、雨と霧では、テストにはなりません。

 よく見るとドライブシャフトのグリスがべったりあちこちに飛んでいます。ブーツが破けています。速攻交換作業&お掃除です。確認のため両方ドライブシャフトを外します。2回目の走行時間までに修理です。88号車も同じくブーツが破けています。原因はグリスと判断?。交換する事にしますが、無事時間内に作業終了し、お昼のお弁当を食べて待機です。いつまでたっても霧と雨で夕方になりオーナーの判断で走行はしないことに決定、ドライバー達も早々に引き上げました。メカ部隊も予選の準備と87号車のローダウンフォースのリアウイングの調整で本日の作業終了です。のんびり作業して7時終了です!
 食事のために富士吉田の「牛角」へ直行です。毎年混雑がすごいので1時間ぐらい待つのですが、今日は、すいていました。すぐさま焼肉、焼肉の山、たらふく食べました。ホテルに戻り一息いれて大浴場へ。お湯が少々熱いのですが、がまんして酒抜きのため時間をかけて入ります。10時には消灯、健康的ですね!!次の日大変なことが待っているとは夢にも思わずおやすみです。

給油担当のレース参戦記(富士)

 5月3日朝はホテル側のご好意で朝食時間を早くして頂けました。おかげで今日も暖かいお味噌汁とご飯が食べられました。6時30分ホテルを出発、サーキット入口は空いていましたが、お客さんはかなり入っているようです。家族からメールがきました。「インターを出ました」!!そうなんです。今日は、家族が遊びに来るのです。RG-1の車検準備を任せてゲートまで迎えにいき、パドックへ。子供たちは初めてのサーキットです。
 私も始めてサーキットへ来たのはやはり小学生のころでした。女の子2人ですが楽しみにしていたようです。ゴールデンウイークは毎年家に居ませんから、たまにはいいですね!!94年カウンタックでGTに出たときは、うちの奥さんも毎回サーキットでお手伝いしてましたからネ!車検の時間、子供たちは他の車を見て回っていたようです。

 今回は1分43〜44秒を目標です。昨日の雨のため今回1回目予選の前に10分間走行時間が特別に設けられました。路面は完全ドライ。スリックでがんがん行きます。セットアップ時間はありませんが、いよいよ予選の開始です。最初は、GT300クラスからです。走り始めタイヤが温まらず、タイム的に下位ですが、少しづつタイムを上げていきます。87号車は山西選手、88号車はマルコ選手です。87号車は少々オーバーステアー気味です。1分44秒台は楽に行きましたが、そこからタイムが上がりません。ピットインして混走時間を待ちます。
 88号車のマルコ選手もセットをかえて混走時間を待ちます。混走時間に87号車WADA-Q選手は予選タイムはクリアしました。88号車、マルコ選手は走り始めてクラッチにトラブルが発生!!緊急事態です。クラッチが切れないのでスタートできません。修復を試みましたがだめです!檜井選手をなんとかスタートさせたいのですが、残念ながら無理でした。
 2回目走行時間までにクラッチ交換です。室内の狭い空間でミッション降ろしに格闘です。外れたクラッチは、バラバラ!!スペアと交換です。次の走行時間まで間に合せなくては。

 2回目はスーパーラップに出れないので87号車は本番のセットアップです。88号車檜井選手も基準タイムクリアに向けて走行開始です。15分間の終了直前檜井選手から無線で「後ろでガラガラ言ってます」と連絡が入りました。ピットに戻った88号車はオイルだらけです!デフが壊れました。コースにオイルを撒いてみなさんにご迷惑をかけたことは仕方のないことなのですが、こちらはさ〜〜大変です。デフギアが欠けてケースを割ってしまったのです。緊急事態です。パーツのストックは“無し”です。本当に困りました。

 ここでティームは工場のもう一台のRG-1JLMC用のデフを外しに行く事を決断!徹夜覚悟の作業になりました。作業状況とゴールデンウイーク時期のことを考えて、私と88号車担当のメカニック2人が行く事になりました。時間は6時です。どう考えても戻るのは真夜中。早速サーキットを出て御殿場ICに向います。プレスルームで交通情報をチェックしてもらうと東名高速、中央道は大渋滞です。そこで作戦を切り替えて、小型の工具箱を持って新幹線で向うことに。三島駅に裏道使って6時半到着。パーキングに車をとめて新幹線に飛び乗りました。

 現地で迎えの手配、戻りの車の手配「やべ〜〜携帯の電池が無くなりそう」8時46分名古屋駅に到着、迎えに来てくれた車で工場へ向います。休む暇なくデフを外す作業にかかります。急いで作業し片付けもしないまま11時に工場を出発、手配した車で一路東名高速で富士へ。ゴールデンウイークなのに上り車線は空いています「ラッキー」!!!牧の原サービスエリアで夜食のそばを食べてドライバー交代、あとは富士まで“寝る”。
 そのころ、スピードウエイでは、87号車の準備も終わり、88号車は部品待ち、2ティームに別れ88号車組みは、私たちの連絡待ちでホテルで待機です。おおよその到着時間は連絡したので皆は風呂入って一休みです。2時過ぎに御殿場インターを降りスピードウエイへ。幸運な事にとても順調でした!
 待機組みと合流して作業開始。デフを組み上げた所で私はダウン!!5時ごろかな?椅子の上で、すやすや寝てしまいました。(こんなんでは、ル・マンはもたないかな?)朝のフリー走行に間に合わせる為に必死で作業をしました。
 皆疲れきっています。なんとか走行時間に間に合うめどが立ち、ホット一安心でした。

 5月4日の朝になっていました。フリー走行開始、2台とも満タン走行です。88号車はデフの慣らしでペースは上げませんが、車のバランスは良さそうです。87号車は、満タンのほうがバランスが良いみたいです?問題なく走行を終えました。88号車も順調でした。

 決勝に向けての準備に疲れた体にむち打って作業開始です。人間添加剤を注入、作業はねじ1本にも集中して行いました。余裕で作業を終わらせ一休み。お昼のお弁当を食べると睡魔が襲ってきます。又しても少々熟睡!!(ル・マンは本当にもつのかな?)
 レースは88号車はマルコ選手→檜井選手→マルコ選手、87号車は山西選手→WADA-Q選手→山西選手の2ピット作戦です。タイヤは1回目リアのみ2本、2回目4本交換の予定です。さ〜後はドライバーにがんばってもらいましょう。
 フォーメイションからいよいよスタートです。1コーナーで300クラス中段に接触があり、何台かコースアウトしています。しめしめ!2台とも美味くすり抜けました。87号車がどんどん順位をあげました。山西選手のセンスですかね〜〜〜〜!!トップ集団から1秒ほど遅いタイムですが、予定のタイム44秒から45秒で周回を重ねて行きます。いいペースです。あ!トップが接触です。又しても順位をあげました。

給油担当のレース参戦記(富士)

 300クラスの下位にいるトヨタ陣営が今回のレースのキーポイントです。必ず1ピット作戦のはず。タイムと順位をチェックしておきます。ポルシェのストレートが異常に速く上位をしめています。87号車はニッサンZ,ビーマックに続いています。長いレースですから慎重に行きましょう。
 予定通りのピットインで87号車WADA-Q選手へ、続いて88号車檜井選手へ。ピット作業も完璧にこなし、コースに戻す事ができました。給油はまだもう1回あるので準備しておきます。椅子に座りモニターを眺めていると、睡魔が襲ってきます。コックリ!コックリ!!!(こんなことではル・マンは?)
 88号車の無線で目が覚めた。「リアから変な音がしてます」デフ?ドライブシャフト?残念ながら88号車リタイアです。又してもデフが壊れました。1ポイントでも欲しい88号車ですが残念です。87号車にガンバッテもらいましょう。

 順位は9位あたりです。やはり1ピット作戦のトヨタ勢が上がってきました。あと1回ピットインが必要なRG-1は厳しい状況です。このままだとギリギリ入賞かな?。2回目のピットインです。燃料給油とタイヤ4本交換WADA-Q選手から山西選手へ。しかし交代してすぐ「クールスーツが効かない」と無線が!
 しかたないのでこのまま行ってもらいます。ガンバレ山西!!4本ニュータイヤの山西選手は43秒突入、ベストラップです。レースはスズカ、岡山で3位のボクスターの順位とタイムをチェックしておきます。88号車のポイントがどうなるか、セパンをお休みするJLOCとしては他のチームのポイントが気になります。山西選手のペースがかなりいいです。9位で前のポルシェとZに追いつきましたがなかなか抜くことは厳しい状況です。

 ところが300クラス上位陣ではトラブル、接触が相次いでいます。目の前のポルシェとZも軽い接触でRG-1が前に行く事ができました。これで7位。
 あっ!トヨタ陣営の1台セリカのタイヤがな〜い!!残り周回数も少なくなり、ポイントを稼ぐためのベストラップの取り合いです。前回岡山で優勝のビーマックがベストラップです。やられました。ところが最後の最後、エンドレスZ景山選手がベストラップを持っていきました。やられたって感じ。
 今回87号車は快調です。今まで2回ともリタイアしているだけに今回こそはと気合を入れて仕上げてきました。前の車に1周1秒づつ差をつめていますがファイナルラップです。最終コーナーを立ち上がり感動のゴールです。クールスーツが効かない状況で山西選手がんばってくれました。5位です!ヤッター!!!ヤッター!!!!

 あ〜〜〜疲れました。本当に疲れました。しかしそんなことを言っては居られません、来週は仙台でJLMCの1000kmレースです。ティームは3日で車を準備しなければなりません、ゴールデンウイークと縁の無い仕事です。
 今回は家族と子供に仕事を見せられたし、別の意味で疲れたレースでした。(わかるかな〜わかんね〜だろ〜な!!)GTレースはしばらくお休みです。
 この後は菅生JLMC1000kmレース、そしてル・マン24時間レースがあり、その後すぐに、もてぎJLMC1000kmレースです。車の準備が大変ですが!さ〜〜〜次のレースもがんばるぞ〜〜〜。

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